マダムゆうこの独り言

PR会社社長。子どもを育てながら仕事を続けてきた経験をもとに働く女性を応援したい。

東電はPRマインドが足りない?

今日の朝日新聞のリレーオピニオンに

元技術者のワインバー店主 伊藤博之さんの

「いまこそ理系」という

コメントが掲載されています。

もともとは人工サファイアの研究をしていた

技術者である、伊藤さんは

出張先のフランスでワインに目覚め、

とうとう銀座でワインバーを開くまでに

なったとか。

技術やさんのなので、

物事をいろいろな尺度で測り、解きほぐして

整理することが得意。

ワインの酸、果樹味、渋みなどの味わい成分を

段階別に評価して、頭の中で分類できる。

とここまでは、ある意味普通の理系の人。

伊藤さんが成功している秘密は

難しい専門用語を使わないで

相手にわかる言葉で

ワインの味を説明するところ、だと思います。

本来、理系は難しいことを簡単な言葉に

置き換えて相手を納得させるのが

うまいはず、と伊藤さん。

その上で、東京電力の説明など大変

わかりにくい

と言っています。

私も仕事柄、医者や学者にコメントを求めたり

取材したりすることが多いですが、

なかなか、わかりやすく説明してくださる先生は

少ないです。

彼らは、専門家の中で理解されればよいので、

一般人にわかりやすく説明する

必要性がありません。

そのような意味で、東電は今まで必要が

なかったから、身内だけで通用するような

言葉で説明し、それがかえって不信を招く

という悪循環を繰り返していると思います。

PR会社の営業種目の中に、メディアトレーニング

というものがあります。

何か不祥事がおこった時のための模擬記者会見です。

たとえば、お辞儀は立って深々と(45度ではダメ)

何秒くらい、とか、決して言ってはいけない言葉、とか

どんな質問の答え方、かわし方、誠意をみせる態度

など・・・

しかし、どんなに練習をしても、発表する内容に

問題があれば、元の木阿弥です。

東電の体質からして、難しいのでしょうが

東大の先生ばかりに頼らずに

日ごろから、普通の人をアドバイザーとして

どのように説明したら、納得してもらえるのか

のシュミレーションが必要だったのでは

ないかと思います。

他の電力会社も今からでも遅くありません。

そのようなことを検討してみては

いかがでしょうか?

電力会社に限ったことではありませんが、

科学的なことは、やはりいろいろな立場の

人が理解できるように

説明する、ということが大切です。

それが

PRマインド

をもって準備を怠らないということです。