マダムゆうこの独り言

PR会社社長。子どもを育てながら仕事を続けてきた経験をもとに働く女性を応援したい。

マウリッツオ・ポリーニ

マウリッツオ・ポリーニ!!

彼の演奏会のことをブログに書かなかったのは、なぜだろう??

言葉にできないくらい感動したので、どのように書いていいのか、

また、

書くことに恐れがあったためでは、ないかしら??

2010年10月23日(土)

サントリーホール

曲目はベートーベンの後期ソナタ30・31・32番

なかなか、渋いプログラムでした。

3曲まとめて、休憩なしの演奏。

ポリーニが舞台左から出てきて、ピアノに向かったと思ったとたん

すぐに弾き始めました。

30番の出だしの音の美しいこと!!

まるで、天国にいるような透明感のある美しい響きでした。

そのとたん、私は、私の葬儀の時はこのソナタをバックグラウンド

ミュージックにして欲しいと、切に願いました。

席が2階の右側でしたので、指の動きは分かりませんでした。

さらに、どんなに鍵盤上指が動いても

どんなにフォルテの音でも、

上体や二の腕は全く動かないのです。

本当に、この人弾いているのだろうか、と思いたくなるくらい

静かに落ち着いていました。

よくオーバーアクションのピアニストがいますが、

ポリーニの場合、静かに紳士的に弾いてきちんと表現する、という形が

できているんですね。

禅の境地でしょうか?

禅と言えば、私が大好きな指揮者のチェリビダッケも禅に興味を

持っていたそうです。

一般的に、ベートーベンの後期ソナタは円熟してからチャレンジするもの、

と言われていますが、ポリーニは後期ソナタからレコーディングしたとのこと。

演奏会の後にレコードを買いに走りましたが、

やはり生演奏には勝てない、と思いました。

マイピアノとマイ調律師を連れての演奏。

本物の芸術家は違うな!と思いました。